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フィールドノート · 日本の家と暖房

日本の家はなぜ寒いのか。山のラウンジを灯油ではなくエアコンで暖める理由

「家の作りやうは、夏をむねとすべし」から、断熱義務化の2025年まで。日本の家が寒い理由、健康、ヒートポンプの研究、よくある思い込み、2026年の補助金。標高1,444mで灯油とエアコンを測った数字も。

櫻元賢次 · kensaurus合同会社 ·

秋に来た方の多くから、同じことを言われます。「山なら灯油のほうがいい。早く暖まるから」。うちのラウンジは群馬県嬬恋村、標高1,444mにあります。暖房を入れる前の最初の冬は、いちばん寒い夜にホールの中にテントを張り、その中で作業を続けました。いま、こたつラウンジを暖めているのは、ダイキンの業務用エアコン2台です。調べるほど、話は逆を指していました。そこでメーカーの仕様、国の統計、論文、そしてラウンジのセンサー記録で確かめることにしました。

場所はこちら → tsumagoi.kensaur.us

ただ、測る前に、もっと手前の疑問にぶつかりました。そもそも、日本の家はどうしてこんなに寒いのか。ここでは、歴史と暮らし、国の基準、健康、ヒートポンプの新しい研究、まだ信じられている思い込みを先にまとめます。うちの数字はそのあとに、最後に2026年11月1日時点の補助金の使い方を書きます。

「家の作りやうは、夏をむねとすべし」

鎌倉時代の終わりごろ(14世紀前半)、兼好法師は『徒然草』第55段にこう書きました。

家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。

家は夏を基準に建てなさい。冬はどんな家でも住める。暑い季節に住みにくい家は耐えられない。700年近く前の言葉ですが、日本の家を説明するときに今もよく引かれます。

日本大百科全書の「住宅」は、日本の家が開け放しのつくりなのは「高温多湿の気候に対処する構造であった」からだと説明しています。木造だから開放的なのではなく、北欧の校倉造のように木造でも閉じた家はあります。冬については、同じ項目に「夏の暑さは通風でしのぎ、梅雨時のしめっぽさと冬の寒さにはもっぱらがまんで過ごした」とあります。

部屋ではなく、体を暖めてきた

日本には「採暖」という言葉があります。日本国語大辞典の意味は「暖をとること。温熱で体を暖めること」。部屋全体を暖める「暖房」とは別の考え方です。日本大百科全書は、火鉢や囲炉裏、こたつを「部屋を暖める暖房というより局所的な採暖といわれる」と書き、熊本県立大学の住居学の講義資料には「日本の場合は,採暖が発達。欧米とは事情が異なる」とあります。

日本の家で暖をとる道具
道具いつごろから
囲炉裏竪穴住居の炉が、高床の家にも受け継がれた
掘りごたつ室町時代。囲炉裏から生まれた
置きごたつ火鉢から生まれ、元禄(1688〜1704年)ごろには広く普及
湯たんぽ1486年の日記に「湯婆」の記録
丹前・どてら江戸時代のはじめ(1625年ごろ)から
電気こたつ1955年ごろから。日本初の電気やぐらこたつは1957年、東芝

出典:世界大百科事典、日本国語大辞典、国立科学博物館 産業技術史資料。うちのラウンジも名前は「こたつラウンジ」で、今もこたつがあります。

イギリス(イングランド)の住宅調査では、持ち家と公営住宅の95%にセントラルヒーティングがあります(English Housing Survey 2023-24)。

断熱が「義務」になったのは、2025年4月

住宅の省エネ基準のあゆみ(国土交通省)
年できごと
1980最初の省エネ基準
1992基準を強化
1999さらに強化(いまの断熱等級4の水準)
2013・2016一次エネルギー(設備の省エネ)も評価する基準に
2022年4月断熱等級5ができる
2022年10月断熱等級6・7ができる(戸建て)
2025年4月すべての新築住宅・建築物で、省エネ基準への適合が義務に
遅くとも2030年基準をZEH水準まで引き上げる予定

小さな住宅は、2025年3月まで基準を満たさなくても建てられました。あったのは努力義務と、2021年からの建築士の説明義務だけです。すでに建っている家はもっと遅れていて、国交省の推計(2022年度)では、約5,400万戸のうち、いまの省エネ基準を満たすのは約18%、断熱材がまったく入っていない家が約24%です。

差がいちばんわかりやすいのは窓です。U値は熱の逃げやすさで、小さいほど逃げにくくなります。

窓のU値(W/㎡K)
U値
イギリス:窓を取り替えるときの上限(Approved Document L、2022年施行)1.4
イギリス:新築1.6
ドイツ:窓を取り替えるときの上限1.3
日本:断熱等級4(東京などの5〜7地域)4.7
日本:一枚ガラスの窓(計算上の既定値)6.51

新築は変わってきていて、2023〜24年に建った戸建ての窓枠は、樹脂製が36%、アルミと樹脂の複合が61%でした(日本サッシ協会)。

家の寿命も短めです。国交省の推計では、取り壊される住宅の平均築年数は日本35.7年、アメリカ56.7年、イギリス51.4年。住宅の売買のうち中古は、日本16.2%、アメリカ74.3%、イギリス82.4%(2023年)。建てては壊す国では、断熱にかけたお金が次の持ち主に引き継がれにくい。断熱が広がりにくかった理由のひとつかもしれません。

寒い家は、体にこたえる

WHOの「住まいと健康のガイドライン」(2018年)は、寒さから住む人を守ることを強い推奨とし、寒い季節の室温の目安を18℃としています。高齢者や子ども、持病のある人にはもっと高い温度が必要かもしれない、とも書いています。

日本の冬は、お風呂の事故の季節です。2024年に浴槽で溺れて亡くなった方は7,776人で、約95%が65歳以上でした(消費者庁、人口動態統計から)。2023年に浴槽で亡くなった65歳以上の方は6,541人で、交通事故で亡くなった65歳以上の方(2,116人)の約3倍です。消費者庁は、お湯は41℃以下、つかるのは10分までを目安に、脱衣所や浴室を前もって暖めるよう呼びかけています。

国交省の「スマートウェルネス住宅」の調査(2019年1月の中間報告)では、断熱改修のあと、住む人の起床時の最高血圧が平均3.5mmHg下がりました。朝の居間が18℃未満の家に住む人は、年齢や性別、所得、生活習慣をそろえても、コレステロール値が高く、心電図の異常が多かったそうです。

エアコンは、寒さに弱いのか

「寒いところではエアコンは使えない」という心配は、まだよく聞きます。ここ数年の研究は、別の答えを出しています。

世界では2021年に、暖房の約1割をヒートポンプがまかなっていました(IEA)。2025年の販売は世界で約2%減、ヨーロッパは11%増、アメリカは13%減、日本は横ばいです。

冷媒も変わっています。いまのエアコンの多くが使うR32は、地球温暖化係数(GWP)が675。前の主流のR410Aは2,090でした(環境省の表)。日本はエアコンのGWPの目標値を750とし、キガリ改正で先進国は2036年までに代替フロンを85%減らします。給湯のエコキュートは冷媒にCO2を使うヒートポンプで、2001年に発売され、2025年3月までに累計1,000万台を超えました。

まだ信じられている、5つの思い込み

思い込みと、出典が示すこと
思い込み出典が示すこと
0℃を下回ると、エアコンは効かない寒冷地向けの機種は−15℃で定格の能力、−25℃でも運転できる。効率は下がり、−20℃でCOP 2前後
こまめに消すほど節約になるダイキンの2018年の冬の実験(京都のマンション2部屋)では、30分ごとに入り切りすると、つけっぱなしより電気を多く使った。2時間の外出なら消したほうが少ない(2.4kWh対3.4kWh)。1日では消したほうが約30円安い
灯油のほうがいつも安い電気の契約しだい。うちの動力なら11月の熱1kWhは9.1円、灯油は13.9円。家庭の電灯契約のいちばん高い段の単価だと14.7円で、灯油より高い
広い部屋には石油ファンヒーター家庭用ファンヒーターは最大2.5〜約7kW。うちのエアコンは1台で16kW以上
エアコンは空気を乾かす暖房で水は減らない。温度が上がって相対湿度が下がるだけ(ダイキン)。灯油は1L燃やすと約1Lの水が出る

資源エネルギー庁の試算では、2.5kWのエアコンの設定温度を暖房シーズン中1℃下げると15.8kWh(約490円)、フィルターを月1〜2回掃除すると37.9kWh(約1,170円)の節約になります。

ここからが、うちのラウンジで測った数字です。

10月30日、センサーが見たこと

ラウンジは午前中ずっと暖房なしでした。13時28分、室内13.3℃、外は約10℃。ここでエアコンを入れました(1台)。13時53分に18℃、14時12分に20.0℃。44分で6.7℃、1分あたり0.15℃です。14時13分ごろに止めたあと(記録ではなく、グラフの形から読んでいます)、15時には17.3℃まで下がりました。

2026年10月30日13時15分から15時までのラウンジ室温の折れ線グラフ。13.2℃で横ばいのあと13時28分から上がり、14時12分に20.0℃、その後ゆっくり17.3℃まで下がる。外気は9.7〜11.3℃。
ラウンジのメーターと気象ステーションの1分ごとの記録。電気の量は東京電力の30分ごとの記録から。

ここで分かるのは、温度計1台のまわりの空気がどれだけ早く温まったかです。電気のほうは、東京電力の30分ごとの記録で、13時〜14時30分にふだんより約4.0kWh多く、10月の単価で約82円でした。13時〜13時30分のコマですでに増えているので、ラウンジの温度計が上がり始める数分前から動いていたようです。部屋の容積はまだ測っていないので、このグラフを熱のkWには直せません。建物の別の場所(気象ステーションの親機の中)の温度計は、14.4℃から16.5℃までしか上がっていません。吹き出し口に近い空気が先に温まり、壁や床や家具はあとから追いつきます。

「灯油のほうが早い」が本当の場面

石油ファンヒーターは、つけて1〜2分で温風が出て、目の前はすぐ暖かくなります。エアコンは温風が出るまで数分かかります。うちの試験でも、灯油バーナーは1分、エアコンは7分で室温が動き始めました。寒くて湿った日は、室外機についた霜を溶かすために、ときどき暖房を止めます。ダイキン自身も「霜の付着量が多くなる場合は、暖房を止めて霜取り運転を行う場合があります」と書いています。

部屋全体を暖める速さは別の話で、どれだけのkWの熱を部屋に入れられるかでほぼ決まります。今年のカタログに載っている家庭用石油ファンヒーターは、最大出力2.5〜約7kW。日本ガス石油機器工業会の目安では、温暖地の木造16畳で6.4kWです。うちのエアコンはダイキンのスゴ暖ZEAS、SDRV160C(室内機FVP160FC、室外機RDRP160C)です。カタログ値では1台あたり、外気7℃で16.0kW、外気2℃で16.5kW(霜取りの時間も含めた1時間の平均)、外気−15℃で16.5kW。ファンヒーター数台分を1台で出し、排気は部屋に出しません。

熱1kWhの値段

ラウンジのエアコンは動力(東京電力の動力プラン)の契約です。10月は1kWhあたり20.45円。電力量料金から燃料費調整を引き、再エネ賦課金を足した値です。11月は24.47円に上がります。灯油は群馬で店頭141.7円/L、配達152.4円/L(資源エネルギー庁の調査、10月26日)。灯油1Lの熱は10.17kWhです。

エアコン(ヒートポンプ)は、使った電気より多くの熱を運びます。この比がCOPで、うちの機種はメーカー値で外気7℃なら3.07、外気2℃なら2.68(霜取り込み)です。IEAは家庭用ヒートポンプの典型的なCOPを約4としています。経産省のワーキンググループも、寒冷地向けの機種は寒さでの能力と引き換えに効率が下がる傾向があると書いています。

熱1kWhの値段の棒グラフ。灯油:店頭13.9円、配達15.0円。動力のエアコン:11月・−15〜−20℃(控えめにCOP2.0)12.2円、11月・外気2℃ 9.1円、10月・外気2℃ 7.6円、10月・外気7℃ 6.7円。
灯油はいちばん有利な条件(熱をすべて数え、換気で逃げる熱は数えない)で計算。電気は契約の基本料金を含めていません。

計算はそれぞれ1行です。

契約で結果が変わります。同じ熱を家庭の従量電灯の第3段階の単価(11月39.39円)で買うと、外気2℃で熱1kWhが14.7円になり、灯油より高くなります。

寒い夜ほどCOPは下がります。2023年の総説(Gibbら、Joule)は、7つの実地調査・約550台のデータで、外気5〜−10℃の平均COPを2.74とし、寒冷地向けの機種は−20℃でもCOP2を超えていたと報告しています。COP2.0なら、11月の動力で熱1kWhが12.2円。灯油の13.9円より、まだ安い計算です。COPが約1.8(24.47円÷13.9円)を上回っているかぎり、エアコンのほうが安くなります。

CO2と、コンセントの向こうのエネルギー

熱1kWhあたりのCO2の棒グラフ。灯油0.246kg。エアコンは東京電力の排出係数0.421kg/kWhで、外気−15〜−20℃(COP2.0)0.210kg、外気2℃ 0.157kg、外気7℃ 0.137kg。
電気のCO2は発電所の分を数えたもの。灯油は部屋で燃える分です。

灯油1Lを燃やすとCO2が2.50kg出ます(環境省の係数)。熱1kWhあたり0.246kgです。東京電力の電気は、公表されている最新年度で1kWhあたり0.421kg。COPで割ると、外気2℃で0.157kg、7℃で0.137kgです。

差が小さい数字も書いておきます。国の換算では、電気1kWhに発電所の燃料8.64MJ分の一次エネルギーがかかったと数えます。COP2.68なら熱1kWhに3.22MJ、灯油は3.60MJ。外気2℃の日、この物差しでの差は1割ほどです。暖かい日ほど、そして電気がきれいになるほど、エアコンが前に出ます。

部屋に残るもの

石油ファンヒーターの多くは開放式で、炎の排気がそのまま座っている部屋に出ます。1980年代の実験では、小さな部屋で開放式の灯油ヒーターを1時間使うと、CO2とNO2が大気の基準を大きく超えました。1996年の国内の実験室でも日本の基準を超え、換気で窒素酸化物は3分の1以下に減りました。灯油1Lを燃やすと水も約1Lできます。冬の窓の結露はこれです。NITE(製品評価技術基盤機構)は、1時間に1〜2回の換気を呼びかけています。

換気すれば熱が逃げます。これは計算できます。建築物衛生法の基準はCO2 1,000ppm以下です。開放式の灯油ヒーターのCO2だけで部屋を1,000ppmに保つには、熱1kWあたり毎時約223m³の外気が要ります(人の分は別)。外が室内より13℃ほど寒いと、その外気が持ち出す熱がヒーターの出す熱を上回ります。だから、この方式で暖めた部屋は1,000ppmを超えがちで、1996年の実験もそうでした。

1,000ppmが頭の働きに影響するかは、結論が出ていません。2016年のAllenらの研究では、換気がよくCO2の低いオフィスで判断のスコアが上がりましたが、変えたのはCO2だけではありません。2017年のZhangらの研究では、CO2だけを1,000〜3,000ppmにしても差は出ませんでした。2019年・2020年の総説は結果がばらついていると述べ、ASHRAEは2025年に、CO2は室内空気の質を全体として示す指標ではないとしています。ラウンジで頭が冴える、とは言いません。言いたいのは、新しい空気を入れても、その分を二度暖め直さずに済む、ということです。

灯油が勝つ場面と、うちで灯油を使う場所

10月31日の夜、30分だけ測った

もっと冷えた10月31日の夜、外は4.3℃、ラウンジは13.7℃でした。22時30分に暖房・設定20℃で入れ、23時に止めました。動いたのは1台で、下の電気の記録もそれと合います。温まり始めたのは22時37分、入れてから7分後です。23時には17.5℃。運転中の平均は1分あたり0.13℃、いちばん速い10分は0.19℃/分でした。30分では18℃にも20℃にも届いていません。止めたあと、23時02分の17.6℃を頂点に、23時30分には15.5℃まで下がりました。

2026年10月31日22時20分から23時30分までのラウンジ室温の折れ線グラフ。13.7℃から、22時37分に上がり始め、23時02分に17.6℃、その後15.5℃まで下がる。外気は約4.3℃で横ばい。
ラウンジのメーターと気象ステーションの1分ごとの記録。こたつ(約0.13kW)は入ったままでした。

最初の30分で上がった幅は、昼(外10℃)が約5℃、この夜(外4℃)が約3.8℃でした(夜は7分の立ち上がり待ちを含みます)。2回だけの比較ですが、外が寒かった夜のほうが、同じ30分で上がる幅は小さくなりました。

今回は電気も測れました。動力契約のメーターは、東京電力のサイトで30分ごと(0.1kWh単位)に見られます。22時30分〜23時は3.7kWh。前後の30分は0.7で、その日のほかの時間も0.6〜0.8でした。これは同じ契約の水ポンプとキッチンの冷蔵庫の分です。0.7をふだんの分として引くと、エアコンは30分で約3.0kWh(ふだんの分を0.6〜0.8とすると2.9〜3.1kWh)、平均で約6.0kWでした。ダイキンのカタログでは、1台が外気2℃で16.5kWの熱を出すときの消費電力が6.15kW。2台ならその倍近くになるので、1台がこの条件に近い運転をしていたと考えられます。

この30分の電気代は、10月の単価で約61円(11月の単価なら約73円)。出した熱は測ったものではなく推定で、3.0kWh × COP2.68 = 約8.0kWhです。同じ8.0kWhを灯油で出すと0.79L、群馬の店頭価格で約112円(熱をすべて数えた場合)。この熱のうち空気を温めるのはごく一部で、残りは壁や床や家具に入り、建物の外へも逃げていきます。

同じ30分を、灯油で

翌朝の11月1日、灯油のほうを測りました。使ったのは、貸し出し用の業務用灯油バーナー、コロナ GH-G19F(A)(出力6.07〜18.73kW)、設定20℃。ドアを閉め、こたつとエアコンは切り、取扱説明書どおり窓を1か所少し開けました。ふだんラウンジでは使いません。今回だけの試験です。9時の時点で外は5.8℃、ラウンジは12.9℃。9時45分ごろまで運転しました。

温まり始めるのはすぐでした。1分後には13.0℃。エアコンは7分かかっていました。30分後に15.1℃、45分後に15.8℃。晴れた朝だったので、比較用に、暖房のない建物裏手のシャワー室の温度を使いました。同じ30分でシャワー室は0.4℃上がったので、その分を引いています。エアコンの夜の試験では、同じ部屋は0.1℃下がっていました。

運転開始からの分ごとのラウンジ室温の折れ線グラフ。エアコンは13.7℃から7分横ばいのあと上がり、30分で17.5℃。灯油ヒーターは12.9℃から1分目で上がり始め、30分で15.1℃、45分で15.8℃。
どちらも同じラウンジのメーター。運転開始の時刻でそろえています。
それぞれの最初の30分
エアコン(10/31 22:30)灯油(11/1 9:00)
外気(平均)4.3℃6.9℃
ラウンジ 開始 → 30分後13.7 → 17.5℃12.9 → 15.1℃
上昇(そのまま)3.8℃2.2℃
暖房なしのシャワー室(同じ30分)−0.1℃+0.4℃
上昇(補正後)3.9℃1.8℃
使ったエネルギー電気3.0kWh(実測)灯油0.30〜0.91L(推定)
費用61円(実測)42〜129円(推定)
CO2 開始 → 30分後556 → 520ppm614 → 1,446ppm
湿度 開始 → 30分後52 → 46%53 → 52%

灯油の数字は推定です。タンクの重さを量っていなかったためです。コロナの取扱説明書では、このバーナーの燃料消費量は1時間0.59〜1.82L。ラウンジは設定の20℃よりずっと低いままで、グラフにも火力を落とした跡が見えないので、ほぼ全力で燃えていたと読んでいます。その場合は30分で約0.91L、約129円、熱にして約9.3kWh。いちばん弱い火力なら0.30L、42円、3.0kWhです。エアコンの3.0kWhは実測です。次はタンクを量ります。

運転開始からの分ごとのラウンジCO2の折れ線グラフ。エアコンは約550ppmから約500ppmへ少し下がる。灯油ヒーターは614ppmから5分目で上がり始め、30分で1,446ppm、43分で1,685ppm、90分でも1,411ppm。
どちらも同じメーター。灯油の試験は窓を1か所少し開けていました。

いちばん違ったのはCO2です。灯油ヒーターを入れると、ラウンジのCO2は30分で614ppmから1,446ppmに上がり、止める直前の9時43分に1,685ppmになりました。止めて45分たった10時30分でも1,411ppm。エアコンの試験では、556ppmから520ppmでした。ラウンジは広い部屋で、窓も1か所開けていました。数字はメーターの値そのままです。湿度は、灯油では53%から52%とほぼそのまま(灯油は燃えると水も出すため)、エアコンでは、空気が暖まるぶん52%から46%に下がりました。

2つの試験は同じ条件ではありません。夜と晴れた朝、外気4.3℃と6.9℃。灯油のときは窓を開けていて、灯油の量は推定です。そのうえで、30分で室温を上げた幅はエアコンが約2倍で、CO2も上がりませんでした。バーナーがほぼ全力だったなら、費用は約半分です。最初の数分だけは、灯油のほうが早く温まりました。本当に寒い夜に、両方とももう一度測ります。

できること:補助金(2026年11月1日時点)

自分の家の窓や給湯器が気になった方へ。国の「住宅省エネ2026キャンペーン」は、まだ受付中です。ただし予約は2026年11月16日まで、交付申請は12月31日まで(予算がなくなればその時点で終了)です。

2026年の住宅向けの事業(キャンペーン公式サイト、11月1日時点)
事業対象補助額予算の申請状況
先進的窓リノベ2026(環境省)内窓・外窓・ガラスの交換1戸あたり最大100万円33%
みらいエコ住宅2026(国交省)断熱などのリフォーム、省エネ住宅の新築リフォームは1戸あたり最大40〜100万円リフォーム 12%
給湯省エネ2026(経産省)エコキュートなど高効率給湯器エコキュート1台7万円(性能により+3万円)55%

意外だったのは、申請するのが自分ではなく、登録された工事業者だということです。

  1. キャンペーンのサイトで登録業者を探す。契約の前に登録を確認する
  2. 工事の契約を結ぶ。工事は契約のあとに始める
  3. 業者と「共同事業実施規約」を交わす
  4. 工事が終わって引き渡されたら、業者が申請する
  5. 交付が決まって1〜2か月で、補助金が業者を通じて戻ってくる(工事代金から引くか、現金で)

窓の補助は、2025年11月28日以降に始めた工事が対象です。窓と給湯器など別々の事業を同じ家で使えるかは、業者に確認してください。市町村の補助は、住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で探せます。嬬恋村には住宅用の太陽光・蓄電池の補助の要綱がありますが、今年度の受付状況は役場に確認してください。

認証には、第三者が省エネ性能を評価する「BELS」、エネルギー収支ゼロを目指す「ZEH」、自治体が認める「長期優良住宅」(税の軽減あり)などがあります。2024年4月からは、新築の家を売ったり貸したりする広告に、省エネ性能ラベルを表示することが求められています。

うちはまだ、どの認証も取れていません。開業を急いだので。次の冬までの宿題です。

小さな事業者には、業務用エアコンの入れ替えにも使える経産省の「省エネ・非化石転換補助金」(SII、中小企業は費用の3分の1以内)があります。今回の4次公募は10月30日に締め切られ、次の公募はまだ発表されていません。ここでは交付決定の前に契約や発注をすると対象外になります。中小企業向けの省エネ診断(SII、1設備6,006円から)もあります。

次にやること

寒い土地で建物を暖めていて、ご自分でも測った方がいたら、ぜひ数字を突き合わせたいです。

出典

展示室でこの作品を見る