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フィールドノート · バグ報告のOSS

エラーにならないバグの報告を、マージ前の修正案まで。Mushi Mushi

エラー監視に残らない「使う人が感じるバグ」を集めて読み、下書きの修正PRまで進めるOSS、Mushi Mushi。仕組み、マージを自分の手に残す理由、無料の範囲と料金です。

櫻元賢次 · kensaurus合同会社 ·

家計簿アプリ yen-yen のテスターから、報告が1件届きました。取引の画面で、固定のヘッダーが最初の1行を隠している、という内容です。レイアウトの不具合なので、エラーは何も出ません。エラー監視には何も残っていませんでした。それでも、行は隠れたままでした。

エラーとして出る不具合と、使う人が感じる不具合。そのすき間を埋めようとして作っているのが、バグ報告のOSS「Mushi Mushi(虫虫)」です。Cursor や Claude Code で速く作って出す人に向けています。

1件の報告がたどる道

アプリにSDKを入れると、画面にバグ報告のボタンが出ます。使う人がそこから一文を書いて送ると、次の順に進みます。

Mushi のコンソールのホーム画面。「Nothing waiting to triage — 9 reports received in the last 14 days」の帯、SDK の更新の案内、TOP 3 TO TRIAGE に分類済みの報告2件、その下にチームの操作履歴
ホーム。いま見るべき報告が上に出ます(本番のコンソール、2026-10-15 撮影)
Mushi のコンソールの Bugs to fix 画面。CRITICAL 0、HIGH 2、MEDIUM 1、LOW 4 の深刻度カード、the-wanting-mind の第3章ページが最も壊れやすい場所だという案内、状態ごとの絞り込み、報告の一覧
報告の一覧。深刻度ごとに数えます(同上)
Mushi のコンソールの Fixes 画面。30日の試行9回などのカードの下に、止まった修正の一覧。Failed の行に review_failed: the proposed change only adds or removes comments, which is not a fix と表示されている
修正の試行。コメントを足すだけの変更は、修正ではないとして止まります(同上)

3枚とも自分のアカウントの画面で、報告はどれも自分のアプリ(the-wanting-mind)のものです。

マージは自分でします

修正は、下書きのプルリクエストとして開きます。CI もそこで動きます。それでもマージは自分の手でしています。修正を作る処理のコードの冒頭にも「マージは人が確かめる。自動ではマージしない」と書いてあります。

報告した人が、あとで「直りました」と知らせを受け取る。そのとき、違うところを変えて別の場所を壊していたら、逆効果です。遅い修正より、間違った修正のほうが高くつきます。だから、報告から確かめられるプルリクエストまでを速くして、最後の判断は自分に残しました。

冒頭のヘッダーの件で開いた下書き(yen-yen #68)は、マージせずに閉じました。2026-10-16 にも glot.it で下書きが2件開きました(#179、#180)。1件は、エラーについて「人の確認が必要」と書き足すだけの変更でした。どちらもマージせずに、その日のうちに閉じました。

無料の範囲と料金

SDK は MIT ライセンスです。どのサイトにも入る @mushi-mushi/web と、React、Vue、Svelte、Angular、React Native、Capacitor、Node 向けがあります。CLI と MCP サーバーも MIT です。

サーバーは AGPLv3 で、自分の製品のために自分でホストすれば無料です。LLM のキーは自分のものを使い、診断数の上限はありません。packages/server/ee/ の Enterprise Edition だけはソース公開のみで、本番で使うには商用ライセンスが要ります。

ホスト版の Free Cloud は月50診断まで無料で、カードの登録は要りません。報告の保存は7日で、50に届くと翌月まで新しい診断を止めます。有料は Indie が月15ドル、Pro が月49ドル、Enterprise は問い合わせです。Mushi はまだベータで、コンソールにもそう出ています。

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