家計簿アプリ yen-yen のテスターから、報告が1件届きました。取引の画面で、固定のヘッダーが最初の1行を隠している、という内容です。レイアウトの不具合なので、エラーは何も出ません。エラー監視には何も残っていませんでした。それでも、行は隠れたままでした。
エラーとして出る不具合と、使う人が感じる不具合。そのすき間を埋めようとして作っているのが、バグ報告のOSS「Mushi Mushi(虫虫)」です。Cursor や Claude Code で速く作って出す人に向けています。
1件の報告がたどる道
アプリにSDKを入れると、画面にバグ報告のボタンが出ます。使う人がそこから一文を書いて送ると、次の順に進みます。
- 集める。本人のメモに、開いていた画面、ブラウザと画面サイズ、直前のコンソールと通信の記録がつきます。スクリーンショットは、送る前に本人が消せます。
- 読む。まず安いモデルが、スパムや雑音を落とします。残った報告を別のモデルが読み、種類、深刻度、怪しい部品、平易な要約、確からしさをつけます。このとき、つないだリポジトリのコードも読みます。
- まとめる。前の報告と似ていれば、新しい行を作らず同じグループに入ります。重複した報告は、月の診断数に数えません。
- 直す。自動修正は、プロジェクトごとに有効にするまで動きません。修正のボタンを押すと、モデルは検索と置換の編集だけを返します。ツールもシェルも渡しません。1ファイルの変更が200行を超えそうなら止まります。



3枚とも自分のアカウントの画面で、報告はどれも自分のアプリ(the-wanting-mind)のものです。
マージは自分でします
修正は、下書きのプルリクエストとして開きます。CI もそこで動きます。それでもマージは自分の手でしています。修正を作る処理のコードの冒頭にも「マージは人が確かめる。自動ではマージしない」と書いてあります。
報告した人が、あとで「直りました」と知らせを受け取る。そのとき、違うところを変えて別の場所を壊していたら、逆効果です。遅い修正より、間違った修正のほうが高くつきます。だから、報告から確かめられるプルリクエストまでを速くして、最後の判断は自分に残しました。
冒頭のヘッダーの件で開いた下書き(yen-yen #68)は、マージせずに閉じました。2026-10-16 にも glot.it で下書きが2件開きました(#179、#180)。1件は、エラーについて「人の確認が必要」と書き足すだけの変更でした。どちらもマージせずに、その日のうちに閉じました。
無料の範囲と料金
SDK は MIT ライセンスです。どのサイトにも入る @mushi-mushi/web と、React、Vue、Svelte、Angular、React Native、Capacitor、Node 向けがあります。CLI と MCP サーバーも MIT です。
サーバーは AGPLv3 で、自分の製品のために自分でホストすれば無料です。LLM のキーは自分のものを使い、診断数の上限はありません。packages/server/ee/ の Enterprise Edition だけはソース公開のみで、本番で使うには商用ライセンスが要ります。
ホスト版の Free Cloud は月50診断まで無料で、カードの登録は要りません。報告の保存は7日で、50に届くと翌月まで新しい診断を止めます。有料は Indie が月15ドル、Pro が月49ドル、Enterprise は問い合わせです。Mushi はまだベータで、コンソールにもそう出ています。