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フィールドノート · ひとりで回す管理室

受付のいない山の牧場を、一枚の見取り図で回す:牧場モニター

標高1,444m、受付のない山の24時間ラウンジを、ひとりで回しています。予約と支払いの自動化、ひとつの台帳、カメラと安全、センサー、電気、水。一枚の画面にまとめた話です。

櫻元賢次 · kensaurus合同会社 · ·

群馬県嬬恋村、標高1,444mの元牧場で「Tsumagoi Work&Camp」をやっています。山の24時間ラウンジで、寝るのは自分の車かテントです。回しているのは私ひとりで、妻が手伝ってくれます。受付はありません。

場所のようすと予約は → tsumagoi.kensaur.us

一か所で見えなかったもの

受付がないと、だれかが見ていたはずのことを、ぜんぶ自分で確かめることになります。予約と入金。いまだれが来ているか。こたつはついたままか。水のタンクはあと何時間もつか。カメラは止まっていないか。前は、それぞれを別の画面やアプリで見ていました。

そこで、受付の仕事をなるべく自動にして、残りは一枚の画面で見ることにしました。画面は「牧場モニター」と呼んでいます。

牧場モニターの画面。中央に牧場の見取り図があり、部屋ごとの温度、7台のカメラの位置と向きと最新の映像、こたつと自販機の電力が並ぶ。右側に確認したいことの一覧、天気、給水タンク、きょうのお客さまの組数
牧場モニター。取材用の表示で撮影し、人が写ったカメラは隠しています(2026-10-30)

受付の仕事を、自動に

お金は、ひとつの台帳に

サイトのカード決済(Stripe)、現地のレジ(Square)、PayPay、売店の現金箱。入口はばらばらですが、同じ台帳に入ります。返金も同じ台帳に記録されるので、どこで何が戻ったかがわかります。牧場モニターの「商い」タブには、今日の入金が入口ごとにレジのように並びます。

牧場モニターの「商い」タブ。ドット絵のレジに、ウェブ、店頭、PayPay、現金箱、オフィスパスの入口が並ぶ。金額は非公開と表示されている
「商い」タブ。取材用の表示なので、金額は出していません

カメラと安全

インフラ画面のつながり図。インターネットからスイッチ、Wi-Fi、2台のPC、カメラ、センサー、クラウドまでがつながり、選んだカメラの枠が青く光っている
インフラの画面。どこが止まったかが、つながりの図でわかります

センサー、電気、水

部屋ごとの温度と湿度、ラウンジのCO2、気象計の風と雨が出ます。あすの朝の霜と、今夜の星の見え方も出ます。センサーから何も届かないときは「受信なし」と書き、0とは書きません。

こたつと自販機には、電気を測るプラグをつけました。いまの消費電力とその日の電力量を、10月の単価で円にも直して出します。こたつがついたままなのに、ラウンジのカメラにだれも写っていない、と知らせてくれたこともあります。

上水道はなく、ポンプでくみ上げた水をタンクにためています。画面には水面までの距離をcmで出し、毎朝5〜6時台の補給と、このままだと何時ごろ警告ラインに届くかも出します。

左はラウンジのこたつの絵で、ついているので湯気が出ている。右は駐車場の自販機の絵と消費電力43W
こたつと自販機の電力

しくみ

24時間リプレイの動き。スライダーが進むと、空が昼から夜へ変わり、時計が1時間ずつ進み、見取り図の上にドット絵のお客さんや車が出入りする
24時間リプレイ。前の日のようすを1時間ずつさかのぼれます(8秒、取材用の表示)
構成図。現地のカメラ、天気・水・部屋のセンサー、電源、入口、自販機が、ミニPC 2台につながる。ミニPCの中で録画ソフトが人・車・動物を検知し、顔とナンバーの認識はオフ。数と状態は東京リージョンのデータベースへ。牧場モニターはそれを読むだけで、カメラの最新の1枚は暗号化した構内回線で届く
画面が読むのは、数や測った値、状態と、カメラの最新の1枚だけです

画面はPythonで書いたデスクトップアプリで、現地の小さなPC 2台で動いています。2分ごとに読み直し、前の24時間はスライダーでさかのぼれます。センサーや予約の数は東京リージョンのデータベースから読むだけで、書き込みはしません。画面が読むデータに、名前、連絡先、メッセージの本文は入っていません。録画(ラウンジと入口は音声も)は、長くても180日たつと自動で消えます。

何時間の手間が減ったかは、まだ測っていません。測れたら、ここに書き足します。

アップデート(10/30夜)

記事を出したその日の夜も、画面には手を入れていました。変えたのは六つです。

説明モードの15番目。在庫の持ち物一覧が黄色い枠で囲まれ、横に仙人のドット絵と吹き出しが出て、赤は要発注、黄は少なめ、砂時計は期限が近いと説明している
説明モード。仙人が19か所を順に案内します

最新(10/31):いまできること

受付のいない場所を、ひとりで回すための仕組みを、画面ごとに並べました。画像を押すと、原寸のJPEGが開きます。

牧場モニター:見取り図と説明モード

カメラ、部屋の温度、こたつの電力、給水タンクを一枚の見取り図に。カメラが人を見つけると、数秒でその部屋にドット絵の人形が出ます。「説明」を押すと、仙人が19か所を順に案内します。

牧場モニターの見取り図。部屋ごとの温度、カメラの位置と向き、電力が並び、画面の下で仙人のドット絵が吹き出しで「温度はSwitchBot、映像はFrigate、人の点はカメラAI、電気はTapo」と説明している。カメラの映像はモザイク
見取り図と説明モード(取材用の表示。カメラの映像はモザイクにしています)

牧場モニター:商い・今日

支払いは方法ごとのコインの山、棚卸の71品目は持ち物の一覧。赤は要発注、黄は少なめ、緑は足りています。

「商い・今日」タブ。ドット絵のレジ、ウェブ・店頭・PayPay・現金箱・オフィスパスのコインの枠、在庫の持ち物一覧。金額は非公開と表示
商い・今日(取材用の表示で、金額は出していません)

牧場モニター:35のサービスのアイコン

カメラ、ネットワーク、セキュリティ、入口の機器、CIまで、見張っているサービスごとに仙人のドット絵アイコンを描きました。緑の輪なら動いていて、赤なら止まっています。

運用タブ。ディスク、CPU温度、メモリ、負荷のグラフの下に、サービスごとのドット絵アイコンが緑の輪で並ぶ
運用タブ。33のサービスがすべて正常のとき

お金の流れ

ウェブ(Stripe)、店頭(Square)、PayPay、現金箱の入金は、ひとつの台帳に集まり、会計ソフトの「一人社長」へ渡ります。

連携タブ「お金の川」。Stripe、Square、PayPay、現金箱からTsumagoi帳簿へ線がつながり、帳簿から会計ソフトSolo Boss Cloudへコインが流れる
連携タブ「お金の川」。金額は出していません

管理画面の「今日」

朝いちばんに開く画面です。今日の来訪、到着、滞在中の人数、全チャネルの売上が、自動で集まります。

管理画面の「Today at a glance」。今日の来訪、いま滞在中、明日、今日の人数、今日の売上、30日の予約数のタイル
管理画面の「今日」。30日の売上の欄はぼかしています

お客さま向けのサイト

予約、決済、AIのコンシェルジュ、現地のいまの気温と夕日までの時間。ドット絵の牧場の上を、キャラクターが歩きます。

公式サイトの最初の画面。標高1,444mの大きな数字、「A 24-hour lounge on the mountain. You sleep in your own car or a tent.」の一文、ラウンジとデッキの写真、ドット絵の草原にテントや車や牛
tsumagoi.kensaur.us の最初の画面(英語表示)

仙人けんじのドット絵

サイト、牧場モニター、入口のタブレットまで、同じドット絵の仙人と牧場で揃えています。

ドット絵の作品。秋の昼の草原とテントと建物、星空の夜のテントと明かりのついた建物。その下に、杖を持つ、指さす、笑う、驚く、雲の上で座禅する仙人けんじ
仙人けんじと牧場のドット絵

入口のキオスクと、歩けるラウンジ(近日公開)

入口のタブレット(キオスク)と、サイトの中を歩いて回れるラウンジは、新しい版を出したあとに画面を加えます。

取材の方へ

記事や番組でのご紹介に、このページの文章と画像をお使いください。わからないことは「確認中」と書いています。

ひとことで

嬬恋牧場Work&Campは、群馬県嬬恋村・標高1,444mの元牧場にある、山の24時間ラウンジです。寝るのは自分の車かテントで、建物にはこたつラウンジ、光回線のデスク、温水シャワー、キッチンがあります。運営はkensaurus合同会社の櫻元賢次(仙人けんじ)がひとりで行い、予約サイト、決済、AIの案内、現地のセンサーと見張りの画面までを自社でつくっています。2026年8月8日開業。

ファクトシート

名称
嬬恋牧場Work&Camp(Tsumagoi Work&Camp)
場所
群馬県吾妻郡嬬恋村、標高1,444m。東京から車で約3時間
開業
2026年8月8日。元牧場の建物を約1年かけて改装
運営
kensaurus合同会社(代表 櫻元賢次)。運営はひとり
建物
こたつラウンジ(テーブル20以上・最大50席)、100Mbpsの光回線、温水シャワー、共用キッチン。暖房はダイキンの業務用エアコン2台で、室内では灯油を燃やしません
寝る場所
自分の車(車中泊)か、区画のないフィールドに張るテント。建物の中では寝られません
料金
公式サイトに載せています
自社でつくった仕組み
予約サイトと決済、AIのコンシェルジュ(ウェブ・LINE・入口のタブレット)、牧場モニター、管理画面、入口のキオスク
カメラ
人・車・動物の数を数えるだけで、顔とナンバーの認識はしていません

画像(ダウンロード)

クレジット:© Tsumagoi Work&Camp / kensaurus。報道・紹介の記事や番組で、クレジットを添えてお使いいただけます。トリミングは自由ですが、画面の中身の書きかえはご遠慮ください。画面はすべて取材用の表示で、人の映ったカメラ、金額、機器の名前は出していません。現地の写真は会社のプレスページにあります。

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お問い合わせ

取材のご依頼は kensaurus@gmail.com へ。現地のご見学は、牧場のLINE公式アカウント(@012pteqb)でもご相談いただけます。電話の窓口はありません。

同じことで困っている方へ

受付に人を置けない小さな宿やキャンプ場、コワーキングを回している方がいたら、気軽に話しかけてください。うまくいったこと、いかなかったことを、そのままお話しします。いまお使いの機器でどこまでできそうかも、わかる範囲でお答えします。

ひとりで回す日々の話はnoteに、英語の短い版はLinkedInに書きました。Instagram(@tsumagoicamp)でも日々のようすを出しています。

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